学者・法曹300人決起 安倍政権はすべての知性を敵に回した

学者・法曹300人決起 安倍政権はすべての知性を敵に回した
日刊ゲンダイ 2015年8月28日
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26日、日弁連の呼びかけで全国の法曹関係者と学者が大集結し、安保法案の廃案に向けて一斉行動をスタートさせた。7時間に及んだ訴えは講演からデモ行進まで多岐にわたったが、圧巻だったのが著名学者や元最高裁判事、元内閣法制局長官らを最前列に、法案に反対を表明した全国108の大学の「有志の会」から駆け付けた学者や、同じく反対表明をしている52の弁護士会の弁護士ら総勢300人が並んで会見、一斉に「違憲」「廃案」のボードを出した瞬間だ。安保法案は今や、すべての知識人を敵に回したと言っていい。

冒頭、日弁連の村越進会長が「これだけ幅広い法曹関係者と学者が一堂に集まり、総決起するのは恐らく過去初めて」と言ったが、大げさではない。それぞれの分野で“権威”とされる学者や法曹関係者が、艦砲射撃のように安倍批判を口にした。

「総選挙で投票数の30%超しか獲得していない安倍政権が、選挙の争点でもなかった安保法制を急に持ち出してきて、ゴリ押しする。戦前生まれの我々世代は到底許すことができない」

こう言ったのは元最高裁判事の浜田邦夫氏。2人の元内閣法制局長官はこう続けた。

「安倍政権は、憲法解釈の理論的整合性と法的安定性を覆そうとしている」(大森政輔氏)

「ちょっぴりであろうと、たっぷりであろうと、憲法9条の下では集団的自衛権は行使できない」(宮崎礼壹氏)

憲法学者の大家たちはこう言った。

「すでに安保法制が違憲であることは明らか。今は安倍政権を存続させるのが良いのか悪いのか、許すのか許さないのかだ」(慶大名誉教授の小林節氏)

「政府答弁は苦し紛れ言い逃れの連続だ。突き詰めて廃案に持ち込みたい」(早大教授の長谷部恭男氏)

また、早大教授の水島朝穂氏は、統幕監部が法案成立前から勝手に動き出していることを問題視。「制服組がミリタリーの発想をダイレクトに政治に反映させようとしている」と批判した。

“一斉行動”のすごい点は、ジャンルの異なる専門家が、それぞれまったく別のアングルから安倍批判をした点だ。

社会学者の上野千鶴子氏(東大名誉教授)が「立憲主義の危機だけじゃない。知性の危機、学問の危機、大学の危機に私たちは同感して一斉に立ち上がったのです」と言えば、政治学者の山口二郎氏(法大教授)は「安倍政治は野蛮そのもの。文明対野蛮の対立だ」と言った。宇宙物理学者の池内了氏(名古屋大名誉教授)も「大学が軍事研究の拠点になろうとしている」と指摘した上で、「我々学者がいかに抵抗するか。これは長期戦になる」と徹底抗戦の構えを示した。また、創価大教員の佐野潤一郎氏は「中国など近隣諸国との友好関係を壊し、脅威や不安を煽る安倍政治の本質は人権侵害だ」と言った。

たとえ安保法案を強行採決で成立させたとしても、反対運動のうねりはどんどん大きくなるし、長期化する。実は、法曹関係者、学者の大同団結に続いて、文化人やジャーナリストらも合流する動きがあり、今週末には国会前で10万人規模のデモが呼びかけられている。彼らに共通するのは、反知性の野蛮政府を打ち倒し、安保法制を葬り去ることだ。安倍首相がいくら国民の声を無視しようとも、もはや、耳を塞ぐことはできないだろう。
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