「ブレア氏に法の裁きを」イラク戦争英兵士遺族ら告発へ

イラク戦争で亡くなったショーン・ブリアリーさん=ピーター・ブリアリーさん提供
Lance- Corporal_ Shaun -Brierley

イラク戦争 「ブレア氏に法の裁きを」英兵士遺族ら告発へ
毎日新聞2016年7月7日01時36分(最終更新 7月7日03時05分)
http://mainichi.jp/articles/20160707/k00/00m/030/173000c

【ロンドン三木幸治】6日に発表された英国のイラク戦争を検証する独立調査委員会の報告書は、ブレア元首相の決断を強く非難したものの、具体的な法的責任には言及しなかった。戦死した英軍兵士の遺族らは「報告書を読み、必要な行動を取る」と述べ、告発に向けた行動を示唆した。

「イラク戦争は間違った戦争だった。ブレア氏を犯罪者だと思っている」。一人息子を失った英中部バットレイの無職、ピーター・ブリアリーさん(65)は力を込めた。「弁護士とともに報告書から犯罪に問える部分を探し出してみせる」

ブリアリーさんの一人息子、ショーンさん(当時28歳)は2003年3月、米軍の拠点があったクウェートに無線技術者として派遣された。開戦からわずか10日。無線を設置するために兵士が居住するキャンプを真夜中に車で回っていた際、自損事故で命を落とした。「早くこの戦争を終わらせ、家に帰りたいと言っていた」。ブリアリーさんは悲しそうに振り返る。

ブリアリーさんも、ショーンさんもイラクに大量破壊兵器があり、戦争をしなければ英国が危機に陥ると信じていた。「だが全てはうそだった」。ブレア氏はなぜ誤った情報を基に参戦を決断したのか。ブリアリーさんら遺族は04年に発表されたバトラー委員会報告にも納得できず、裁判所や政府に再調査を依頼し続けた。そして実現したのが09年に始まった独立調査委員会の調査だ。

ブリアリーさんは「報告書はあくまで第1段階」と強調する。目標はブレア氏を裁判所に立たせ、法の裁きを受けさせることだ。「全てを知っていたブレア氏が(開戦について)法的責任を問われないということは絶対に受け入れられない。戦争はあらゆる手を尽くした後の最後の手段であるはずで、罪は重い」。息子を奪った「偽り」の戦争への憤りは消えない。
….

イギリスが2003年、イラク戦争に参加した経緯を検証する委員会が最終報告書を発表し、「軍事行動は最終手段ではなかった」と当時のブレア政権の判断を批判しました。
igirisu_england_operation_iraq
「最終手段でなかった」英のイラク戦争参加で報告書(16/07/07) ANNnewsCH
https://www.youtube.com/watch?v=HOwXM9r7Qas
iraq_senso_igirisu
「最終手段でなかった」英のイラク戦争参加で報告書
テレ朝news 2016/07/07 11:54
http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000078622.html

イギリスが2003年、イラク戦争に参加した経緯を検証する委員会が最終報告書を発表し、「軍事行動は最終手段ではなかった」と当時のブレア政権の判断を批判しました。

独立調査委員会・チルコット委員長:「軍事侵攻の法的根拠を十分に満たしたと決断するにはほど遠い状況だった」

7年間にわたる調査を経てまとめられた報告書では「イギリスは平和的な解決策を尽くす前にイラクの侵攻に参加した。軍事行動は最終手段ではなかった」と指摘し、当時のブレア政権の判断を厳しく批判しました。また、「侵攻するという判断は、イラクの大量破壊兵器に関する誤った情報や評価を根拠にしていた」と指摘しています。さらに、軍事侵攻の8カ月前に、当時のブレア首相がアメリカのブッシュ大統領に支援する意向を示していたことも明らかになりました。ブレア元首相は記者会見し、「フセイン政権を打倒し、世界は良くなった」と意義を強調しました。
….

イラク戦争報告 日本も「過ち」を再検証すべきだ
2016年07月16日(土) 社説 | 愛媛新聞ONLINE
http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017201607166500.html

2003年3月にブッシュ米政権が主導して開戦したイラク戦争について、英国独立調査委員会が最終報告書を発表した。「武装解除のための外交手段は尽くされていなかった」とし、当時のブレア政権の参戦判断を「誤りだった」と結論付けた。

英国はイラクが大量破壊兵器を保有しているとの情報を基に参戦した。しかし報告書では、開戦前の02年7月にブレア首相がブッシュ大統領への書簡で、「何があってもあなたと共にいる」と強い支持を伝えていたことを明らかにした。英国の対イラク政策は「欠陥のある情報」に基づいてつくられ、フセイン政権による差し迫った脅威は当時「なかった」と断定した。

調査委は、ブレア氏の後任のブラウン前首相が09年に設置。元政府高官ら有識者の委員が7年をかけて、ブレア氏ら関係者150人以上を聴取、15万件以上の政府文書を分析した。過去の過ちの原因を徹底的に調査・検証し、将来への教訓とする努力は高く評価されよう。

翻って日本。当時の小泉純一郎政権は真っ先に米英の軍事行動を支持すると表明した。戦後には南部サマワで陸上自衛隊が人道復興支援を行ったほか、航空自衛隊もクウェートとイラク間で輸送業務に従事した。名古屋高裁は08年、多国籍軍の武装した兵士を輸送したことは「他国の武力行使と一体化し違憲」と断じている。

にもかかわらず、外務省は12年、「大量破壊兵器が存在しないと証明する情報がなかった」と、事実誤認はやむを得なかったとする報告書をまとめた。調査は一部外務省幹部の聞き取りや公電などにとどまり、公表したのも概要だけ。全文は「他国との信頼関係を損なう」として開示していない。英国との格差にがくぜんとする。改めて検証をし直すべきだ。

米国も05年に独立調査委員会が「情報機関が致命的な誤りを犯した」との報告書をまとめている。当事国が誤りを認めたにもかかわらず、日本政府は今も当時の判断を「妥当」としている。今回も「人道復興支援と後方支援のみを行ったわが国と、参戦した英国とを同列に論じるのは適切ではない」と、政府見解の修正を否定した。戦争への協力という点では同列のはず。過ちを認めようとしない姿勢を猛省しなければならない。

イラク戦争はその後、過激派組織「イスラム国(IS)」台頭の遠因となり、テロや宗派間対立も深刻化。日本はイスラム過激派から「十字軍の一員」と敵視されるきっかけとなった。

安全保障関連法が施行され、自衛隊が米軍と共に軍事行動する可能性がますます高まっている。安倍晋三首相は「米国の戦争に巻き込まれることは絶対にない」と断言したが、イラク戦争を例にとってみても、その発言は信用しかねる。過去の反省と検証が不十分なままでは、同じ過ちを繰り返してしまうと強く警告しておきたい。
….

英国で最終報告 イラク戦「支持」検証を
2016年7月8日 社説:中日新聞(CHUNICHI Web)
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2016070802000115.html

多くの犠牲者を出したイラク戦争。米国に追随して参戦した英国の独立調査委員会が最終報告書を提出した。戦争を支持した日本政府も、その判断が正しかったのかを検証し、公開する必要がある。

イラク戦争は二〇〇三年三月二十日に始まった。当時のブッシュ米大統領は生物・化学などの大量破壊兵器を開発・保有するイラクの脅威から米国や国際社会を守ることを大義に掲げたが、大量破壊兵器は結局発見されず、戦争は国際社会に深い傷痕を残す。

非政府組織(NGO)「イラク・ボディー・カウント」によると開戦から一一年十二月、米軍のイラク撤収までの死者は約十六万二千人に上り、約八割が民間人、約四千人は子どもだった。

戦争による混乱は、過激派組織「イスラム国」(IS)の台頭を招き、同調者によるテロは世界に拡散している。バングラデシュでは日本人七人も犠牲になった。

国際情勢を大きく変える契機となった開戦判断の是非を検証し、後世の教訓とすることは人類全体に対する責任でもある。

自国の兵士百七十九人が死亡した英国では、独立調査委員会が七年にわたる調査の最終報告書を発表し、英国の参戦について「イラクを武装解除させる平和的な手法を尽くしておらず、最終手段とは言えなかった」と批判した。

調査は約十五万点の資料を検証し、参戦時の首相であるブレア氏を含む約二百三十人の証言を公聴会や書面で集めた、という。最終報告書は二百六十万語を超える。

独立委員会による同様の調査は開戦を主導した米国のほか、オーストラリア、治安維持目的で派兵したオランダでも行われた。

しかし、当時の小泉政権が米英両軍の武力行使を支持し、復興支援名目で自衛隊をイラクに派遣した日本では独立委員会による調査・検証はいまだ行われていない。

民主党政権下の一二年、外務省がイラク戦争に関する日本の対応を報告書にまとめたが、公表は要旨だけで、全文は非公開だ。

しかも、調査対象は外務省内の文書や職員だけで、大統領や首相も聴取対象にして報告書も公開している海外に比べて、とても検証と呼べる代物ではない。

政策判断の誤りを繰り返さないためには第三者の独立委員会が調査・検証を行い、後世に教訓として残すのは当然の責務だ。安倍政権が安全保障関連法の成立を強行し、自衛隊を海外に随時派遣できる状況なら、なおさらである。
….

shaun_brierley
Operations in Iraq
Lance Corporal Shaun Brierley
https://www.gov.uk/government/fatalities/lance-corporal-shaun-brierley
….

百地章「憲法改正のため緊急事態条項から一点突破!」
momochiakira_kinkyujitai_kaiken
たかじんのそこまで言って委員会NP