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谷査恵子の上司土生栄二(はぶえいじ)内閣審議官は説得力ゼロ


土生栄二(はぶえいじ)内閣審議官
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谷FAXを「公務員として丁寧な対応」と称した内閣審議官は谷さんの上司
まさのあつこ | ジャーナリスト
3/31(金) 9:09
https://news.yahoo.co.jp/byline/masanoatsuko/20170331-00069359/
http://archive.is/M50Qx


昭恵総理夫人付への指揮系統図(内閣官房組織図から筆者まさのあつこ作成)

3月29日の衆議院国土交通委員会で、玉木雄一郎議員(民進党)と内閣官房の土生栄二(はぶえいじ)内閣審議官との間で、「行政文書」と「公務」に関する質疑が行われた。

谷さんの行為を「公務」だと浮き彫りにさせた一方、「行政文書」ではないと考えを述べた土生審議官だが、その裏には何が隠されているのか、質疑を文字に起こしつつ、★印で「内閣官房」への取材をもとにした解説を、文末に加えていくことにする。

国会質疑は日常会話と違い、「組織」と「法律」をベースに読み解くと、そこから「霞ヶ関」のグロテスクな姿が浮かんでくる。オススメする読み方は一度、先入観なしに質疑の動画の37分目~)を数分見た後に解説★を読むことだ。

玉木議員:(略)最後に伺います。例の夫人付の谷さんのことです。官房長官も含めて、谷さんに責任をなすりつけるべきではないと思いますよ。優秀な事務官としてその職責をしっかり果たしたんです。それを個人の仕事だ、個人の紙だというのは、これは政治家が行政官に対してやってはいけない行為だと思いますよ。改めて伺います。このFAXです。このやり取りなんですが、これは公文書ですか、つまり行政文書ですか。そしてこのFAXのやり取りは、公務じゃないんですか。

土生審議官:ご指摘の職員、いわゆる総理夫人付でございますけれども、総理夫人による公務の遂行を補助する活動を支援するという職務命令を受けている職員ということでございます(★1)。ご指摘のFAXでございますけれども、本件につきましては、職員本人に対しまして籠池氏側から照会があったものにつきまして、財務省に照会の上、回答したということでございます(★2)。そうしたことから、総理夫人の公務遂行補助活動を支援する、そういった職務には該当しないというふうに考えているところでございます(★3)。

他方におきまして、職員個人に紹介があったものについて、直接の職務ではございませんが、公務員として丁寧な対応をしたということでございます。

土生審議官:(答弁続き)また、御指摘の文章でございますけれども、この文章につきましては、職員個人が作成し、個人で保有していたものと承知を致しております。情報公開法ならびに公文書管理法で行政文書でございますけれども、行政機関の職員が職務上作成し、え~(★4)、職員が組織的に用いるものとして保有しているということで定義をされておりますので、当該FAXは、行政文書には当たらないものと承知いたしております。

玉木議員:そんなことはないですよ。じゃ、これ公務としてやってたんじゃなくて、個人として親切でやったということなんですね。そういうことですか。

土生審議官:今申し上げましたとおり、当該職員の職務には該当しないということでございます。

玉木議員:資料の15を見て下さい。FAXですが、左の上、送信記録があります。2015年11月17日、17時04分、勤務時間内に送信されています。調べましたら土日ではありません。たしか火曜日です。まったく公務に関係ないことを勤務時間内にやるのは、国家公務員法に言う職務専念義務違反101条違反になるということですか。

土生審議官:さきほど申し上げました通り、直接、職務命令を受けたわけではないわけではございますれども(★5)、他方におきましては国家公務員法では、国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務する(★6)ということも定められているところでございます。したがいまして、職務命令外の事項につきましても、国民の皆様方からの紹介に丁寧な対応を行うことは、社会通念上、認められるような常識的な範囲にある行為であり、かつ法令により割り当てられた職務の遂行に支障が生じなければ、職務専念義務違反にはならないものと承知いたしております。

玉木議員:それを公務と言うんですよ。96条の「服務の基本基準」で定められています。そこまで言うんだったらそれは公務ですよ。言ってることがまったく矛盾してますよ。ちなみに職務専念義務違反はどういうことが書いているかと言うと、「職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い」る。他に漏らす余裕はないんですよ。101条は。片手間でなんか聞かれたから、じゃぁ、それも答えるのが公務員としての務めです。違うと思いますよ。無理に無理を重ねた答弁をするから、だんだん、だんだん、説明が難しくなってきているんです。繰り返し申し上げますが、谷さん本人にですね。谷さんにすべてをなすりつけて、より大きな責任を負うべき者が責任を免れようとするのは許すことはできません。

(3月29日の衆議院国土交通委員会より抜粋、文字起こし)

(★1)「・・・職員ということでございます」と他人事のような答弁だが、この「内閣官房の土生栄二内閣審議官」は、内閣に置かれた「内閣官房」の「内閣総務官室」の一員で、その内閣総務官室の人事担当によれば、土生審議官は「内閣の重要事項に参画している」審議官だ。同担当者は、谷さんへの「官職の発令」は、「内閣事務官 内閣総務官室」であり、土生審議官は谷さんの上司にあたると言う。「だからこそ、土生さんが国会答弁に立ったわけですね」との筆者の質問に「そうです」と人事担当は回答した。

また、「(FAXや)名刺の肩書きなどに『内閣総理大臣夫人付』とあるのですが、正式な官職の発令は『内閣事務官 内閣総務官室』だったのですね」と再確認をすると、「そうです」と言う。

つまり、「土生内閣審議官」は単に国会答弁を任された官僚ではない。実は、谷さんの直属の上司だった。そして、谷さんの正式な肩書きは「内閣総理大臣夫人付」ではなく、「官職の発令」上は、「内閣事務官 内閣総務官室」だった。谷さんの職務は、内閣法で定められた「内閣官房」の仕事の範囲ということになる。

(★2)「財務省に照会の上、回答したということでございます」と、これも他人事のような答弁だが、内閣法第12条で「内閣官房」の職務が列挙されており、その第2項4号には「行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関する事務」がある。問題となったFAXの2枚目はまさに、これに該当すると言えないか。

内閣幹官房の内閣総務官室にいて、「行政各部の施策の統一を図るために必要となる」「総合調整」を、土生審議官の下で行っていたと考えれば、スッキリする。

なお、逢坂誠二衆議院議員提出「内閣総理大臣夫人の法的地位に関する質問主意書」で谷さんの職務の法令上の根拠を尋ねられて、内閣法第12条第2項第1号の「内閣の庶務」とであるとして、「総理公務補助」の「支援」と答弁をしている。

(★3)財務省などの総合調整を「総理夫人の公務遂行補助活動を支援する、そういった職務には該当しない」というふうに「考えているところ」とぼかして他人事のように答えているが、(★2)で解説したように、(1)官職の発令では『内閣事務官 内閣総務官室』としか書かれていない。(2)内閣法第12条第2項第1号では「内閣の庶務」と規定、(3)内閣法第12条第2項4号の「行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関する事務」、(4)昭恵夫人が多岐に渡って「主人に伝えます」活動をしていたことで知られている事実、こらら4点を考え合わせると、谷さんは「第2項第1号」ではなく「第2項第4号」の活動を職務としていたと考えることが自然だ。

それを証明/否定するには、以下をつまびらかにすれば自明となる。

1.安倍首相「夫妻」と、谷さんを証人喚問して以下を尋ね

・「総理夫人付」ポスト創設の理由

・「総理夫人付」の職務、

2.谷さんと土生審議官を証人喚問して、

・「総理夫人付」として内閣総務官室から他の府省へ接触した全ての「職務」

谷さんの職務の全容が明らかになって初めて、財務省への連絡が「そういった職務には該当しない」というなら、では、何が「そういった職務」に該当するのか、つまびらかにする責任が政府にはある。

(★4)土生審議官は「行政文書」の定義を述べた際、「行政機関の職員が職務上作成し、え~、職員が組織的に用いるものとして保有している」と、「え~」に入る一語「取得」を抜かし答弁した。内閣官房のトップである菅菅義偉官房長官は、本人曰く、籠池証人の一週間前から「取得」していると述べた。「個人」保有のものでも行政期間が「取得」し、その保有していたFAXを公務として行う記者会見で用いたことで、作成された時から始まってさらに「行政文書」となったのである。

(★5)土生審議官は「職務命令を受けたわけではないわけ」と言うが、籠池氏が昭恵夫人に留守伝を残したことは、昭恵夫人側から明らかにされていることを全く無視している。

(★6)追及され取って付けたように「国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務する」というが、森友学園を巡っては大阪府や財務省の判断が疑問視され、自民党内からは偽証罪での告発も議論される中、財務省への口利きは、「公共の利益」ではなく、一部の利益をはかったものと考えるのが自然である。言い逃れるために、矛盾が明らかで、皮肉にも「総合調整」に失敗している。日常会話では「つじつまが合わない」という意味である。

さて、これらの解説を読んだ後で、もう一度動画を見てみると、土生審議官が見せる含み笑いや目の落とし方、議員の表情を読み取ろうとする一瞬の間など、無表情な中にも微妙な変化があることが、読み取れるはずだ。

まさのあつこ ジャーナリスト
ジャーナリスト。ラテン諸国放浪後、衆議院議員の政策担当秘書等を経て、東京工業大学大学院総合理工学研究科博士課程修了。博士(工学)。著書に『投票に行きたくなる国会の話』(ちくまプリマー新書、2016)、『四大公害病』(中公新書、2013)『水資源開発促進法 立法と公共事業』(築地書館、2012)、共著に『公害・環境問題と東電福島原発事故』、『社会的共通資本としての水』など。

masanoatsuko
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安倍内閣総理大臣夫人付FAX「個人で保有」:行政文書の定義逃れには無理がある
まさのあつこ | ジャーナリスト
3/27(月) 9:27
https://news.yahoo.co.jp/byline/masanoatsuko/20170327-00069178/
http://archive.is/eg1K7
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